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SPORTS  /  2020.08.20

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引退競走馬となった彼女との再会

こんにちは!
馬事文化応援アイドル 桜花のキセキ・一瀬恵菜です。

本日は、ある「元競走馬」との再会をお話ししていきたいと思います!

初めての出会いは2016年

北海道で一口馬主クラブの募集馬ツアーも後半に差し掛かった頃。

とても愛らしい表情で周回展示に登場し、近くで会いたいなぁと一番に思った一頭がいました。

追分ファームさんで生産されたその子は、父ディープブリランテ 母セレスティアルキャットの牝馬でした。

栗毛の馬体に流星も可愛く、鼻の辺りはほんのりピンク色。うるうるキラキラしたお目目に釘付けになりました。

「どうしても〜あの子が忘れられない〜!」
と、家族でも意見が一致。
一口応募してみることになりました。

無事に出資することが叶って、今後の未来を想像してたくさんワクワクする日々がやってきました。

ツアーの後もまたすぐに会いに行き、雨降る中でしたが、厩舎の皆様と一緒にお見送りまでして下さって、頑張ってね〜という気持ちでたくさん手を振りました。

ドキドキワクワクする更新レポート

1ヶ月毎にやってくるレポートでは、育成スタッフさんからのお褒めの言葉や、脂肪球(脂肪の塊)が馬体にできてしまい、将来的に馬具等を着けた際に触れてしまうかもとのことで、除去する手術も行いました。

そして、ひな祭りの3月3日が本馬のお誕生日なのですが、その日に更新となったレポートで競走馬として活躍していく馬名が決定しました。

<ガトーブリランテ>
「素敵な猫」という意味を持つキュートな名前になりました。

可愛い名前だ〜なんて呼ぼうかな!
ガトブリちゃんかな、ガトちゃん?ブリちゃん?
とにかく大好きなディープブリランテの名前を引き継いでいるのも嬉しかったですし、デビュー戦が待ち遠しくなっていく日々でした。

お顔の表情もどんどん性格が出てくるというか、気の強そうな部分も垣間見えてきました(笑)

しかし、デビューに向けて順調にトレーニングを重ねる中で、ノドが鳴ってしまうようになりました。(ノド鳴りというのは、喘鳴症のこと)
それでも若いお馬さんに多く見られるノドの病気の可能性もあり、成長によって改善もあるということで、様子を見ることになりました。

ノドと向き合いながら調整を重ね、2017年の11月に中舘英二厩舎さんへ入厩となりましたが、直後に右前脚に不安が出てしまい、山元トレーニングセンターさんへ一度放牧に。

年が明けて、気がつけば500kgを超える成長分を見せていました!脚の状態も落ち着き、再度2018年2月に入厩し、ゲート試験も合格!
右前脚の不安も考慮し、ダートでのデビュー戦が決定しました!

いよいよデビュー戦!!

3月18日 中山競馬場 牝馬限定3歳未勝利戦 ダート1200mでデビュー。

津村騎手が騎乗し、単勝オッズは101.5倍の11番人気。
個人的にもっと人気でもいいのにー!(笑)なんて思ったりもしたのですが、この日を迎えられることがどんなに嬉しいことか。

可愛らしい名前が付いたゼッケンを付けて、厩舎のカラーに染まっていて、たくましくなったなぁと思いました。

見守り体制100%で、とにかく無事に。という願いで迎えた新馬戦。
スタート後は行き脚がつかず後ろから。4コーナーを回る頃にもまだ前にはたくさん他のお馬さんがいる状態。

しかし、間をスルスルといい脚で伸びてくるガトーブリランテ。最後まで伸び続け5着!掲示板確保でした!
戻ってきた姿は誇らしく、なんとか勝ち上がってほしいという気持ちで溢れました。

迎えた次走では体重がマイナス20kgとなってしまい、絞れたというより、減りすぎてしまった印象もありましたが、4着。
そのまま続戦&距離延長と頑張りましたが、またも4着…!

一度放牧に出て、6月の東京ダート1600mへ向かうことに。長くいい脚を使っていたのですが、3着。
初の馬券圏内となり嬉しさはあるものの、やはり未勝利戦ならではの、落ち着かない気持ちがありました。

しかし徐々に着順を上げ、対応してくれるガトーブリランテを信じていました。
そして中2週で挑んだ東京ダート1400m。

中団でレースを進め、4コーナーでは外を回し良い手応え!しかし残り200mでまだハナを行く子とは距離がありました。

「絶対届く!絶対届く!絶対!絶対!」と信じて東京競馬場では「ガトブリちゃん!!お願い!!津村さん!!!お願い!!頑張って!!!」と叫んでいたと思います(笑)

交わして2分の1馬身出たところがゴールでした。

2年前に初めて彼女を知ってから、この日を迎えたいとどんなに願って思っていたか。
今までのレポートもたくさん思い返しました。

本当におめでとう、ありがとう。
思いが溢れましたし、関係者の皆様へ感謝が溢れました。

そして、これから先を夢見ていける日々が始まりました。

勝った後は、3歳以上500万下を一度使われて6着。
その後はすぐ山元トレーニングセンターさんへ会いに行きました。

勝利後に会えたガトーブリランテは、さらに凛としていました。

ここから更に大変な世界で戦っていく彼女へ、色んな思いもこみ上げました。

その後も、一勝クラスで馬券内や惜しいレースを繰り返し、一度見てみたかった芝でのレースも頑張ってくれました。
関東以外にもたくさん応援に行きました。

再び訪れた脚元の不安

しかし、今年に入ってから膝の腫れが出てしまいました。それでも回復をし、使うレースも決まり、坂路で自己ベストをマークした頃に、また膝が腫れてしまいました。

思っていた以上に重く、16戦の競走生活にピリオドを打ち、7月に引退となってしまいました。

彼女に幸せな余生があってほしいと心から願っていましたが、繁殖に上がるという言葉を見ることも無く、正直どうなってしまうのか…と、文字だけで見る結末に自分の無力さを感じてしまいました。
でもどうすることもできなくて、ただ願う日々でした。

そんな時でした。
たまたま掲示板を検索していたら、ガトーブリランテが埼玉県にある「ときがわホースケアガーデン」さんにいるという文字が…。

土曜日の夕方。急いで家族に話し、ときがわホースケアガーデンさんに電話。次の日に急遽会いに行くことになりました。
もうこの時は抑えられない気持ちで溢れていました。

そして日曜日。
ときがわホースケアガーデンさんの入り口にスタッフの方がいらして、「ガトーブリランテはいらっしゃいますか?」とお聞きすると…

なんと偶然、ガトーブリランテを引き取ってくださったオーナーさんだったのです。
「え!!ガトーブリランテに会いにきてくださったんですか!!」と想像もしていなかった嬉しいお言葉を頂き、出資していたことをお話しすると、なんと同じく出資者の方だったのです!

優しい空気に包まれていて、長閑さもある景色と厩舎から顔を出すお馬さんたち。
姿を見つけた時はこみ上げるような思いでした。

ガトーブリランテを厩舎から出していただき、久々に触らせていただきました。

再会の時

彼女を引き取るまでのお話をお聞きしながら彼女の目を見ていたら、もう私は堪え切れない思いでガトーブリランテの前で泣いてしまいました。
出資していたお馬さんの前で、初めてこういう気持ちになりました。

現役時に放牧に出ていた時とは、また違う表情の彼女に、ここに来るまでも色々な雰囲気を感じ取っていたのだろうと思いました。

オーナーさんが話して下さったお話、そしてときがわホースケアガーデンさんについては、次の記事に詳しく続けたいと思います。

この記事を通じて、改めて引退競走馬のこと。そしてブリちゃんことガトーブリランテのこと、ときがわホースケアガーデンさんのことを知って頂けたら嬉しいなと思います。

長くなりましたが、この度も読んで頂きましてありがとうございました!

次回も是非読んで頂けると幸いです!

    一瀬恵菜

    馬事文化応援アイドル「桜花のキセキ」メンバーとして、2018年5月より活動開始。
    競馬場やウインズにて、ライブイベントやトークショー、予想番組等に多数出演。
    競馬好きの家庭に生まれたこともあり、幼少期から競馬に慣れ親しむ、桜花のキセキ一の競馬通。
    2019年5月に立ち上げられた、馬事メディア「HORSE CULTURE LOVERS」では、
    取材等も自ら行って記事を寄稿するなど、馬事文化を広めるための広報活動も積極的に行っている。