ENTERTAINMENT / 2018.08.14
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話題のモデル主演!「10代のリアル」を描く映画

「君だけでよかった。君だけがよかった。」
こんにちは、シバノソウです。『少女邂逅(しょうじょかいこう)』という映画をみました。今話題のモデル、モトーラ世理奈さんが出演されていたのですが、演技がとても良くて。第二の小松菜奈を彷彿とさせる、アンニュイで存在感のある演技は圧巻でした。この映画の監督は枝優花さんという女性で、映画にも「女性性」がとても出ているなと感じました。10代特有の痛み、これをここまでしっかりと描けるのは枝さんだけなんだなと強く思いました。
物語のあらすじ
高校でいじめにあっているミユリ(保紫萌香)は自己主張ができず、内向的な性格。
そんな彼女には友達がいた。
飼っている蚕の「紬(ツムギ)」だ。
窮屈で息がつまる現実から、いつか誰かが救ってくれる。
そう信じていたミユリだったが、いじめっこに蚕の存在がバレ、山の中に捨てられてしまう。
絶望しているミユリのもとに、東京からの転校生、富田紬(ツムギ)(モトーラ世理奈)が転校してきて、ミユリの生活は変わり始める。
少女性

「少女」というのは、18歳までの女性のことを言うんだそうです。
「邂逅」は偶然出会うこと。
だけどこの物語でのミユリと紬は、偶然出会ったとは思えません。
18歳までの世界というのは確かに閉ざされていて、その中で出会い、生まれた感情や友情というのは、生活の中で占める割合がとても高いと思っていて。
さらに東京から少し離れた地域が舞台とのことで、少女の少女性(友達を独り占めしたくなるような感覚だったり、全能感だったり)というのはすごく納得がいって。
それでも、受験や、周りの環境の変化で関係はどうしても変わってくるし、いつまでもここに居れるわけでも、本当に友達を独り占めできるわけでもない。そこがすごく、物語の要になってるなと感じました。
自分の身体に傷をつけてしまうということ

この物語には、リストカットのシーンが出てきます。
私は正直血が苦手で(血が苦手なのに映画を見るのは結構難しかったりするのですが(笑))、むやみやたらに血を出す映画というのは本当に苦手なのですが、この物語には必然というか、なくてはならない感じがして。
というのも、物語の中の少女がリストカットをするというのは、ただ「メンヘラ」「精神を病んでいる」というより、「傷をつけることで忘れないように傷をつけている」というのが正しい気がしていて。
最初、ミユリは勇気がなくてリストカットできないんです。
リストカットをするのに勇気がいるというのは、本当に傷ついてないわけではなく、すごく普通の感覚が残っているからだと思うんです。
それに対して、最後のシーンではリストカットをしている。
親友の痛みを忘れないため、そこにいたことを忘れないため、自分の身体に傷をつける。見てられないほど痛々しい、それが10代のリアルなんだなというのを強く思いました。
あのヒリヒリした感覚に没頭できる101分、ぜひ体験してほしいです。
シバノソウ

シンガーソングライター。アイドル、DJ、バンド、その他の界隈を縦横無尽に駆け抜けながら、ROJACK2017で入賞、その他大型サーキットフェスにも出演し実力も底知れない。3月には無所属にして渋谷WWWワンマンを大成功させた。これからの活動が注目されている19歳。
Twitter:@soshibano